お子さんが不登校になると、親御さんは「どう接すればいいのかな」と悩むことが多いですよね。焦りや不安を感じて、解決策を探している方もいるでしょう。そんなとき、考えるうえで欠かせないのが「セキュアベース」です。
「セキュアベース」とは、子どもが安心して成長できる心理的な土台のこと。不登校のお子さんは、この土台が十分に築かれていない場合があります。家庭を「セキュアベース」に整えていけば、お子さんの気持ちが安定し前向きな変化が生まれることも!

これから「セキュアベース」の大切さをお伝えしますので、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
「セキュアベース」ってなに?
お子さんが、安心して自分らしく成長するためには「セキュアベース」が欠かせません。これは直訳すると「安全基地」という意味で、心理学においては子どもが安心して探索し、挑戦できるための土台を指します。
セキュアベースの概念は、イギリス出身の医学者であるジョン・ボウルビィが提唱した「愛着理論」に基づいています。さらに、彼の母子関係の研究を通じて、メアリー・エインスワースが「セキュアベース」の重要性を具体的に示しました。親からの安定した愛情や適切な応答が、子どもの心理的安全を確立し、健全な成長を促すことを明らかにしたのです。



お子さんにとって、家庭が「セキュアベース」になっていると、次のようなプラスの影響があるんですよ!
- 安心感が得られる
- 意欲的に挑戦できる
- 自己肯定感が育つ
- 他者との関係を築く力つく
一方で、親御さんとの関係が不安定だったり安心できる環境が整っていなかったりすると、お子さんは外の世界に興味を持ちにくくなります。その結果、不登校や引きこもりにつながるケースも。
親御さんからの愛情や適切なサポートがあると、お子さんは「困ったときは戻れる場所がある」と感じ、自信を持って挑戦できるのです。
たとえば、公園で遊ぶ小さな子どもを想像してください。最初は親のそばにいても、徐々に遊具に近づき、友だちと遊び始めます。そして、不安になったり転んだりすると、親のもとへ戻って安心感を得ます。この繰り返しが、子どもの自立や社会性の発達を促していくんですね。
不登校と「セキュアベース」の関係
お子さんが不登校になる根本的な要因として「セキュアベース」の有無が関係している場合があります。安心安全の場がなければ、お子さんは不安を抱えやすく外の世界に踏み出す力が湧いてきません。
その結果、次のような行動や心理状態が現れる場合があるでしょう。
- ストレス発散できず心が疲弊する
- 失敗を過度に恐れ挑戦する意欲を失う
- 親御さんに本音を話せない
- 困ったことがあっても助けを求めない
「セキュアベース」が確立されていないと、親に心配をかけたくないと思ったり否定されるかもしれないと考えたりして、気持ちを閉ざしてしまうんですね。その結果、学校に行くのがますます苦しくなり、不登校につながる可能性があります。
逆に、家庭が「セキュアベース」になっていると、お子さんは学校での困難にも柔軟に対応できます。親御さんの存在が心の拠り所となり、嫌な出来事があっても乗り越えられるし何か失敗したとしても「大丈夫」と思えるんですね。
家庭が安心安全な場所であれば、お子さんは心のエネルギーを回復できます。無理に学校に行かせるよりも「家庭が安心できる場所であること」の方がとっても重要なんですよ!
学校でうまくいかない日があっても「セキュアベース」があれば、お子さんは再び挑戦しようと思えるようになりますから。
家庭でできる「セキュアベース」の構築方法
セキュアベースを作るためには、親御さんとお子さんの間にしっかりした信頼関係が必要です。そのためには、普段のコミュニケーションがとっても重要ですよ!



それでは、親御さんとお子さんの間にしっかりした信頼関係を築くコミュニケーションの方法をお伝えしますね。
1. お子さんの話を最後まで聴く
話の途中で意見を挟んだり、否定したりすると、お子さんは「話しても無駄だ」と感じてしまいます。言葉に詰まっても焦らせず、最後までしっかり聴く姿勢が大切。
2. 気持ちを受け止める
お子さんが「学校に行きたくない」と言ったとき「なんで?」「行かないとダメでしょ!」と返していませんか?まずは「つらいんだね」「嫌な気持ちがあるんだね」と共感して、安心させてあげましょう。
3. アドバイスしない
お子さんが悩んでいると、親御さんは解決策を提示したくなるもの。しかし、お子さんが求めているのは「答え」ではなく「共感」の場合が多いです。「どうしたらいいと思う?」と問いかけて、お子さん自身が考える機会を持たせましょう。
繰り返しになりますが、お子さんが「家は安全な場所だ」と感じられることが「セキュアベース」の基盤です。ですから、安心できる家庭環境を整えるために、親御さんは次のポイントを意識してください。
過度なプレッシャーをかけない
親御さん自身がリラックスする
お子さんのペースを尊重する
「勉強しないと将来困るよ!」といった言葉が多いと、お子さんは家庭でも緊張してしまいます。また、家庭の雰囲気は、親御さんの気持ちに大きく影響されるもの。親御さんが不安そうだったり、ピリピリしていたりすると、お子さんの心も落ち着きません。
意識的にリラックスする時間を作って、穏やかなに過ごしてくださいね。「学校に行くかどうか」よりも「今、何を感じているか」に目を向けられるといいのではないでしょうか。
こちらのYouTubeでもお話していますので、ぜひご覧ください。
まとめ | 「セキュアベース」が不登校の改善につながります!
不登校のお子さんにとって、家庭が「セキュアベース」になることがとっても大切。家庭が安心できる場であれば、お子さんは少しずつ前向きな気持ちを取り戻し、自分のペースで成長できますから。
親子の信頼関係を深めるためには、お子さんの気持ちを受け止め、焦らず見守る姿勢でいてくださいね。「セキュアベース」にいると、お子さんは学校や社会との関わりを前向きに考えられるようになります。まずは「お子さんにとって心地よい環境」を整えてください。