不登校は親のせい?「なりやすい家庭」の誤解と本当に見るべきサイン

「もしかして、うちが不登校になりやすい家庭なの?」
「やっぱり私のせいだったの?」
——そんな言葉が、ふと頭をよぎったことがある親御さん、いるのではないでしょうか。
インターネットで「不登校」と検索すると、「親のせい」「家庭環境」「なりやすい家庭の特徴」といった言葉がいくつも出てきます。そんな言葉を目にするたびに、胸が締め付けられる感覚になるかもしれません。
結論からお伝えします。不登校は、親御さんの「せい」ではありません。
ただ、家庭環境が全く関係ないかというと、そうでもありません。大切なのは「責任を問うこと」ではなく、「今のお子さんのために、家庭でできることを知ること」です。
今日は、文科省のデータも踏まえながら、「なりやすい家庭」という言葉の誤解を解き、今日から変えられることをお伝えしていきますね。
鈴木理子「親のせいかもしれない」と思っている親御さんへ。この記事を最後まで読んでみてくださいね。
文科省が示す「家庭に係る状況」とは
文部科学省は毎年、不登校の要因についての調査結果を発表しています。その中のひとつに「家庭に係る状況」という項目があります。これは「家庭がダメだから不登校になった」という意味ではありません。
文科省が定義する「家庭に係る状況」には、親御さんとの関係、家庭内の不和、生活環境の急激な変化などが含まれます。ただし、この調査が示しているのは「不登校のお子さんにこういった背景があった」という事実であり「家庭がそうだから必ず不登校になる」という話ではありません。
大切な前提として、文科省のデータでも示されているのは、不登校の要因は「家庭」だけでなく、学校環境、友人関係、本人の気質、社会的な変化など複数の要素が絡み合っているということです。
「家庭に係る状況」があったとしても、それだけが「不登校の原因」になるわけではないんです。
「そもそも、なぜ不登校になったのかわからない」と悩んでいる親御さんには、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

「不登校になりやすい家庭」という言葉の誤解
「不登校になりやすい家庭の特徴」としてよく挙げられるのは、たとえばこんなものです。
親御さんの不仲や離婚
過干渉または過保護
親御さん自身が仕事で不在がち
家庭内でのコミュニケーション不足
これを読んで、「うちのことだ……」と感じた親御さんもいるかもしれません。
でも、ここで大切なことをお伝えします。
「特徴」として挙げられているこれらは、「あると必ず不登校になる」ものではありません。
同じ環境でも不登校にならない子どももいますし、こういった要素が一切なくても不登校になるお子さんもいます。
さらに重要なのは、先にお伝えした通り、不登校の要因は複数が絡み合っているということ。「家庭の特徴」だけを切り取って「これが原因だ」とは言いきれないのです。
「うちに特徴が当てはまるから、私たちが不登校にさせた」——この考え方を、少し変えてみて欲しいんです。
大切なのは「誰が悪かったか」ではなく、「今の家庭で何が変えられるか」です。
鈴木理子「特徴に当てはまってた……」と落ち込まないでください。気づいて、変えていけることが大切なんです。
今のお子さんに目を向けてみてください
「なりやすい家庭の特徴」ではなく、今のお子さんの状態に目を向けてみましょう。
不登校のお子さんに共通しているのは、「安心できる場所がない」と感じているケースが多いということです。
心理学には「セキュアベース」という考え方があります。
安心できる人や場所が「根っこ」としてあるとき、子どもは外の世界に向かって動き出せる——という考え方です。逆に言えば、その根っこが揺らいでいると、外に向かう力が出にくくなります。
お子さんにとっての「セキュアベース」は、多くの場合、家庭であり、親御さんです。
「いつでも帰ってこられる場所がある」
「ありのままで受け容れてもらえる」
——そう感じられる家庭であることが、お子さんが動き出すための土台になります。
「私が不登校にさせてしまった」と自分を責めることより、「今のお子さんにとって、家が安心できる場所になっているか」を見直してみること。そちらの方が、ずっとお子さんの助けになります。
セキュアベースについて、もう少し詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。「安心の根っこ」がどうお子さんの力につながるのか、丁寧に解説しています。

今日から変えられる、家庭の空気のつくり方
「セキュアベースを作りましょう」と言っても、何から始めればいいかわかりにくいかもしれません。特別なことをしなくていいんです。今日から始められる小さな変化を、2つお伝えします。
① 声かけより先に「ただそばにいること」を意識してみてください
「宿題は?」「外に出てみたら?」——つい声をかけたくなるのは、お子さんへの愛情があるからこそです。
でもまず、何も言わずにそばにいてみてください。リビングにいる、同じ空間で過ごす——それだけで「ここにいていい」というメッセージがお子さんに届きます。
②「どうしたい?」をお子さんに聞いてみてください
話ができるようであれば、進路のこと、これからのこと、友達のこと——答えを先に出す前に、「あなたはどうしたい?」と聞いてみてください。お子さんが自分で考えて言葉にすることで、「自分の気持ちを言っていい」という感覚につながります。
具体的な声かけのヒントを知りたい方は、こちらも読んでみてくださいね。

まとめ|「親のせい」より「今できること」へ
不登校は、親御さんだけのせいではありません。子どもの気質、学校環境、友人関係、社会的な変化など、さまざまな要素が重なり合って起きています。
「家庭の特徴」を調べて自分を責めることは、お子さんの回復にはつながりません。大切なのは、お子さんの今を受け入れて、安心できる場所を作ること。それは、今日から少しずつ始められます。
どんなお子さんにも、自分で動き出す力がちゃんと備わっています。その力を信じながら、一緒に一歩ずつ歩んでいきましょう。
鈴木理子一人で抱え込まないでくださいね。悩んだときは、家族心理ニューロアカデミー(ファミニュー)にぜひご相談くださいね。
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