不登校で犬を飼う効果は?親が決める前の5つの注意点

不登校のお子さんが「犬を飼いたい」「猫がほしい」と言い出して
「動物と触れ合えば、元気になってくれるかも…」
「でも、お世話をちゃんとできるの?」
「結局、私が全部世話をすることになるんじゃ…」
と迷っていませんか?
リコペットが不登校のお子さんにいい影響を与えたという話はよく聞きます。その一方で、迎えてみたら思わぬ問題が起きた、というご相談も実際に少なくありません。
この記事では、期待できる効果と起こりうる現実の両方を整理したうえで、飼う前に確認したい5つのこと、犬・猫・小動物それぞれの向き不向き、そして「今は飼わない」と決めたときの選択肢までお伝えします。ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
\ たった7日で親子関係が変わり始めます /
入力は10秒で完了
いつでも解除できます
不登校の子どもがペットを飼いたいと言い出したら?
まず、お子さんが動物を欲しがること自体に、大切な意味があります。
傷ついたお子さんの心に、動物の無条件の愛は特別な癒しになります。ペットは「学校に行っているか」なんて気にしません。ありのままのお子さんをそのまま受け容れてくれる存在です。
そしてもうひとつ。お子さん自身が、無意識に「何かを大切にしたい」「誰かの役に立ちたい」と感じているサインでもあります。学校に行けない自分に自信を失っているとき、小さな命を守ることで自分の存在価値を確かめたい。そんな気持ちが「飼いたい」という言葉になって出てくることは、とても多いんです。
つまり「ペットを飼いたい」は、わがままではなく、回復に向かう気持ちの表れであることが多い。まずはここを押さえてください。
そのうえで、親御さんの現実的な心配ももっともです。命ある動物ですから、「気持ちは尊重したいけれど、勢いでは決められない」が正解です。この記事は、その「決める」ための材料を順番に並べていきます。まずは、期待できる効果のほうから見ていきましょう。
不登校でペットを飼うと、どんな効果が期待できる?
「不登校にペットは効果があるのか」。ご相談でもよく聞かれる質問です。
先に結論をお伝えすると、学校に戻すための効果を期待するのは間違いですが、お子さんの毎日を回復に向けやすくする効果は、確かに期待できます。具体的には次の4つです。
1. 外に出る理由ができる(散歩・通院という「用事」)
不登校のお子さんが外に出にくいのは、「不登校なのに外にいる自分」を見られたくないからです。
ところが、犬の散歩はここを一気に変えます。リードを持って歩いている姿は、誰が見ても「犬の散歩をしている人」です。「学校は?」という視線の代わりに、「かわいいですね」という会話が生まれます。外出が「説明のいらない用事」になるんですね。
動物病院への通院も同じです。目的のある外出は、目的のない外出よりずっとハードルが低い。外に出るきっかけを失っていたお子さんにとって、これは小さくない変化です。
2. 生活リズムが「世話の時間」に引っぱられて整う
動物は待ってくれません。朝になればごはんを欲しがり、決まった時間に散歩を求めます。
昼夜逆転しがちなお子さんでも、「自分が起きないとこの子が困る」という関係ができると、生活の軸が一本通ることがあります。親に「早く起きなさい」と言われるのとは違い、誰にも命令されていないのに自然と体が動く。この違いは大きいんです。
ただし、これは「整うことがある」であって、「整えるために飼う」と順番を逆にしないでください。理由はのちほど注意点⑤でお話しします。生活リズムの乱れ自体が心配な方は、以下の記事もあわせてどうぞ。

3. 「必要とされている」という感覚が戻る
不登校のお子さんは、「自分は誰の役にも立っていない」という感覚に沈んでいることが多いものです。
そこに、自分を全面的に頼ってくる存在が現れる。ごはんをあげれば喜び、名前を呼べば駆けてくる。「この子には自分が必要だ」という実感は、言葉でどれだけ「あなたは大切な存在だよ」と伝えるよりも、直接的に届くことがあります。
自己肯定感の回復については以下の記事で詳しくお伝えしていますが、動物との関係はその近道になりうる、ということです。

4. 親子の会話の「間」が埋まる
これは、家族関係を専門にしてきた立場から、いちばんお伝えしたい効果です。
不登校のご家庭では、親子の会話が「学校どうする?」に偏りがちです。すると、お子さんは会話そのものを避けるようになります。話しかけられる=学校の話をされる、になってしまうからです。
ペットがいると、学校の話をしなくていい話題が家に1つ増えます。「今日こんな寝方してたよ」「散歩で他の犬に吠えられてた」。中身のない会話に聞こえるかもしれませんが、この中身のなさが大事なんです。安心して交わせる会話が家に戻ってくると、家庭の緊張が目に見えてゆるみます。
同じ部屋で、同じ動物を撫でている。言葉がなくても一緒にいられる時間が増えること自体が、親子関係の回復にとって大きな意味を持ちます。
\ たった7日で親子関係が変わり始めます /
入力は10秒で完了
いつでも解除できます
親が本音で「もう子どもは諦めた、自分が癒されたい」と思ったとき
ここで、あまり誰も書かないことを書かせてください。
「子どもを変えようとするのはもう疲れた。正直、私が癒されたくて犬を飼いたい」。そんな気持ちが心のどこかにある親御さん、いらっしゃると思います。
その気持ちは、責められるものではありません。むしろ健全です。
お子さんの不登校と向き合い続ける毎日は、親御さんの心をすり減らします。すり減った心のまま関わり続けるより、親御さん自身が癒される存在を家に迎えるほうが、結果として家庭全体が楽になることは、実際にあるんです。親が動物を撫でてゆるんでいる姿は、お子さんにとっても「この家は張り詰めていない」というメッセージになりますから。
ただし、ひとつだけ条件があります。「あなたのために飼ったのよ」とは、決して言わないこと。親御さんの癒しのために飼うなら、それを引け目に感じる必要はありませんが、その役割をお子さんに背負わせた瞬間、ペットは重荷に変わります。「お母さんが飼いたかったから飼った」と堂々と言えるなら、その動機で迎えて大丈夫です。

不登校でペットを飼う前に確認したい5つのこと
効果を見てきたところで、今度は現実の側です。命ある動物だからこそ、迎える前にこの5つを家族で確認してください。
1. 経済的な負担を現実的に考える
ペットには、想像以上にお金がかかります。
犬や猫の場合
- 迎えるときの初期費用(生体代・ケージ・トイレ用品・初回の医療):数万〜数十万円
- 食事代:月に数千円
- ワクチンや健康診断などの医療費:年間で数万円
- 病気やケガをしたときの治療費:手術になれば数十万円(その他、ペット保険など)
寿命まで飼えば、犬・猫で総額200〜300万円という試算もあります。この出費を家計に組み込み続けられるか。ここは冷静に見てください。
リコ想定外の治療費が20万円かかったとき、家計から出せますか?
2. 家族全員の協力体制があるか
お子さんが「世話をする」と約束していても、実際には家族全員でのサポートが必要です。
不登校のお子さんには、体調や気持ちの波があります。調子のいい日は積極的に世話をしても、落ち込んでいる時期はまったく触れ合えなくなることもある。これはお子さんの意志の弱さではなく、状態として起こることです。最初の数日だけ熱心に世話をして、だんだん関心が薄れていく。これも不登校に限らず、子どもにはよくあることです。
そのとき、代わりに世話をするのは誰か。名前で答えられる状態にしてから迎えてください。ここが曖昧なまま迎えると、世話が滞ったときに「あなたが飼いたいと言ったんでしょ!」という責め合いが始まり、ペットがいることでかえって家庭の空気が悪くなります。
きょうだいがいる場合は、世話の分担への不公平感が出ないかも話しておきましょう。同居・近居の祖父母がいるなら、動物を迎えることへの理解も先に得ておくと、あとのトラブルを防げます。そして家族の誰かにアレルギーがないか、検査を含めて必ず確認してください。飼い始めてからアレルギーが判明して手放す、というのが動物にとっても家族にとってもいちばん不幸な結末です。
リコお子さんが1か月世話をできなかったとき、誰が代わるか名前で言えますか?
3. 住環境とライフスタイルの適性
賃貸住宅の場合、ペット可の物件でしょうか。分譲マンションでも規約の確認は必須です。
集合住宅なら、鳴き声や足音で近隣に迷惑をかけない配慮も要ります。また、旅行や帰省のときに預け先があるか、日中の在宅時間はどのくらいか。
この記事を読んでいるご家庭はお子さんが在宅していることが多いはずなので、留守番問題は比較的クリアしやすいのですが、「お子さんが家にいるから大丈夫」を前提にしすぎると、お子さんの状態が変わったときに設計が崩れます。
リコお子さんが来年、毎日外出する生活に戻っても、飼い続けられますか?
4. お子さんの現在の状態を見極める
同じお子さんでも、時期によって「今は待つべき」と「今なら検討できる」が分かれます。
不登校の初期、心のエネルギーが底をついている時期は、新しい責任を負うこと自体がストレスになります。「ペットのためにがんばらなければ」というプレッシャーが、お子さんをさらに追い詰めてしまうことがあるんです。感情の波が激しい時期は、動物への関わり方が不安定になる心配もあります。
目安として、次のようなサインが見えてからのほうが、動物を迎えるタイミングとしては安全です。
- 食事や睡眠がある程度安定してきた
- 好きなことに取り組む時間が戻ってきた
- 家族との会話が増えてきた
逆に、部屋にこもりきりで会話もほとんどない時期に「飼えば変わるかも」と迎えるのは、順番が逆です。

リコこの1か月で、お子さんの生活リズムと会話は安定していますか?
5. 「治療目的」としての期待は危険
5つのなかで、これがいちばん大事です。
「ペットを飼えば不登校が治るかもしれない」という期待で動物を迎えるのは、危険です。ペットは薬ではありませんし、お子さんの状況を劇的に変えてくれる魔法の存在でもありません。
その期待で飼うと、何が起きるか。効果が見られないとき、親御さんががっかりします。そのがっかりは、必ずお子さんに伝わります。「ペットがいるのに、なぜ変わらないんだろう」という視線は、お子さんに「自分はペットをもってしても駄目なんだ」という新しい自己否定を植え付けてしまう。そして何より、期待に応えられなかった動物にとっても不幸です。
先ほど効果の章でお伝えした変化は、どれも「結果として起こることがある」ものです。目的に据えた瞬間、全部が裏返ります。飼うかどうかは、癒し効果への期待ではなく、家族の一員として最期のときまで愛していけるかどうかで判断してくださいね。
もうひとつ、「最期」に触れたので付け加えます。動物を迎えるということは、いつか必ず別れが来るということです。ペットロスの悲しみは大人でも深く、お子さんにとっては大きな喪失体験になります。ただ、それは飼わない理由ではありません。命を大切にした時間があったからこその悲しみであり、家族で一緒に悼める体験でもあります。別れが来ることも含めて迎える、という覚悟だけ、心の隅に置いておいてください。
リコ1年経ってお子さんが学校に行っていなくても、「飼ってよかった」と言えますか?
\ たった7日で親子関係が変わり始めます /
入力は10秒で完了
いつでも解除できます
犬・猫・小動物、うちに合うのはどれ?種類別の向き不向き
「飼う方向で考えたい。でも何を迎えるか」。ここも、お子さんの状態との相性で考えると選びやすくなります。
犬|外出のきっかけになるが、散歩の負担が親にくる
犬のいちばんの強みは、効果1でお伝えした散歩です。外に出るきっかけを作れる動物は、実質的に犬だけです。感情表現がまっすぐで、「必要とされている実感」も得やすい。
一方で、毎日の散歩は義務です。お子さんが動けない日は、その散歩は親御さんの仕事になります。雨の日も、冬の朝もです。犬を選ぶということは、親御さんが散歩要員になる日を織り込むということ。ここを覚悟できるかが分かれ目です。しつけの手間と費用も、猫や小動物より一段大きくなります。
猫|在宅時間の長い子と相性がいい。距離感を子どもが選べる
在宅中心の生活を送っているお子さんとの相性でいえば、猫はとても優れています。
猫のよさは、距離感を相手に委ねてくれるところです。触りたいときに触り、そっとしておいてほしいときは互いに放っておける。人との距離に疲れているお子さんにとって、この「べったりしなくていい関係」は安心そのものです。散歩が不要なので、お子さんの調子の波が世話の破綻に直結しにくいのも現実的な利点です。
「犬ほどの世話はまだ無理そう。でも、そばにいてくれる存在がほしい」。そんなご家庭には、猫が第一候補になります。
ハムスター・うさぎ・魚|まず「世話ができるか」を試せる規模
いきなり犬や猫は不安、という場合は、小動物から始める選択があります。
ハムスターや魚は、世話の量が少なく、費用も住環境の制約も小さい。「毎日決まった世話を続けられるか」を、家族もお子さん自身も小さなリスクで確かめられます。ここで世話が続いた実績ができてから犬や猫を検討する、という二段構えは、失敗の少ない進め方です。
ただし、小動物は寿命が短いものが多く、別れが早く来ます。また「抱いて癒される」体験は犬猫より得にくいので、お子さんが求めているものが「触れ合い」なら、期待とのずれがないかだけ確認してください。
「今は飼わない」と決めたときの、動物とのかかわり方4つ
ここまで読んで「うちは今は飼えない」と判断したご家庭へ。それは冷たい結論ではなく、命に対して誠実な結論です。
そして、飼わなくても動物と関わる方法はあります。4つご紹介します。
- 猫カフェ・ふれあい施設を利用する
飼う前のお試しとしても優秀です。お子さんの動物への関わり方(世話をしたいのか、そばにいたいだけなのか)が見えてきます。 - 保護犬・保護猫のシェルターでボランティアをする
世話をする側の体験ができ、「誰かの役に立ちたい」という気持ちの受け皿になります。不登校やひきこもりの若者が保護犬のケアを通じて回復していく活動をしているNPOもあります。 - 親戚や知人の犬の散歩を手伝う
飼う責任を負わずに、散歩という「外に出る用事」だけを取り入れられます。 - アニマルセラピーを取り入れているフリースクールや支援団体を探す
動物との触れ合いが活動に組み込まれた居場所なら、「動物」と「家の外の居場所」を同時に得られます。
どれも、「飼う/飼わない」の二択を「どう関わるか」に変える選択肢です。今は飼わないと決めたご家庭の次の一手として、検討してみてください。
親が言ってしまいがちなNG3つ
飼うにしても断るにしても、伝え方ひとつでお子さんへの届き方が変わります。よくあるNGを3つ挙げます。
NG1 「ちゃんと世話できるなら飼っていいよ」
一見まっとうな条件に聞こえますが、これは取引です。お子さんの状態には波がありますから、世話ができない日は必ず来ます。そのとき、この約束が「ほら、できてないじゃない」という責め道具に変わってしまう。
代わりに、「世話は家族みんなでやろう。あなたができる日はお願いね」。最初から共同責任として設計するのが正解です。
NG2 「学校に行けるようになったら買ってあげる」
これは、動物を報酬にする言い方です。登校が動物と引き換えの取引になると、お子さんは「行けない自分はペットももらえない」と二重に傷つきます。しかも、この条件で無理に登校して迎えたペットは、登校が続かなくなったときに罪悪感の象徴になってしまう。
動物を迎えるかどうかは、学校とは切り離して判断してください。
NG3 「どうせ最初だけでしょ」「あなたに世話なんて無理よ」
先回りの否定です。当たっている可能性はあります。
でも、これを言われたお子さんが受け取るのは「どうせお前には無理」というメッセージだけです。断る場合も、気持ちまで否定しないでください。
「飼いたい気持ちはよくわかった。うちは費用の面で今は難しい。その代わり、猫カフェに行ってみない?」。気持ちは受け取る、判断は理由とともに伝える、代わりの選択肢を添える。この3点セットなら、断っても親子関係は傷みません。
まとめ|飼う・飼わないを家族で決めるための3つの問い
不登校とペットについて、効果と現実の両方をお伝えしてきました。
期待できる効果は4つ。外に出る理由ができる、生活リズムが整いやすくなる、必要とされる実感が戻る、親子の会話の「間」が埋まる。どれも本物です。ただし、どれも「目的」に据えた瞬間に裏返ります。
最後に、ご家族で答えを出すための問いを3つ置いておきます。
- お子さんが1日も学校に行かないままでも、「この子(動物)を迎えてよかった」と言えますか?
- お子さんが世話をできなくなったとき、誰が代わるか名前で言えますか?
- 10年後も、この子の最期まで、家族として愛し続けられますか?
3つとも「はい」なら、きっと素晴らしい関係が築けます。ひとつでも迷うなら、今は飼わない選択や、飼わずに関わる方法から始めてみてください。それも立派な、命への向き合い方です。
そして、飼っても飼わなくても、忘れないでいてほしいことがあります。お子さんにとって最高の癒しは、ペットではなく、親御さんの温かなまなざしです。動物はそれを補ってくれる存在であって、代わりではありません。焦らず、お子さんのペースにあわせて見守っていきましょう。
リコペットがいてもいなくても、親御さんの温かな愛情こそが、お子さんにとって最高の癒しになりますよ!
\ たった7日で親子関係が変わり始めます /
入力は10秒で完了
いつでも解除できます
子どもの不登校が長期化したときの親の心の整え方についてお話しています。
ぜひご覧になってください♪

