不登校は親のせい?親子関係の見直し方と3つのステップ

お子さんの不登校が続くと、親御さんは「いつになったら行けるようになるの?」と焦りや不安でいっぱいになりますよね。
背中を強く押した方がいいのか、優しく見守った方がいいのか… 毎日試行錯誤されている方も多いのではないでしょうか。
そして、夜になると必ず戻ってくる問いがあります。
「私の育て方が悪かったのかな」
この記事は、まずその問いに正面からお答えするところから始めます。そのうえで、親子関係が悪化しているときのサイン、つい やってしまいがちな関わり、そして今日から始められる3つのステップをお伝えします。ぜひ、最後まで読み進めてください。
リコ今回は、不登校と親子関係のつながり、そして今日からできる具体的な関わり方をお伝えします。ぜひ、最後まで読み進めてください。
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不登校は、親のせいなのでしょうか
不登校は、親御さんのせいではありません。
でも、こう言われても納得できないですよね。「そう言ってもらえるのはありがたいけれど、実際うちは私が原因な気がする」。そう思われる方のほうが多いと思います。
ですので、慰めとしてではなく、理屈としてお伝えします。
「母親のせい」と言われてしまう5つの理由
そもそも、なぜ不登校になると母親が疑われるのでしょうか。理由は5つあります。
1. いちばん近くにいるから
原因を探すとき、人はまず近いところを見ます。毎日接している人がまっさきに候補になるのは、正しさとは関係のない、単なる距離の問題です。
2. 家庭の中は外から見えないから
学校での出来事は先生が把握していますが、家庭の中は誰にも見えません。見えない場所には、いくらでも想像が入り込みます。「家庭に何かあったのでは」という説明は、確かめようがないぶん、誰にでも言えてしまうんですね。
3. 昔の常識が残っているから
かつては「不登校=家庭の問題」という見方が主流でした。祖父母世代の言葉に含まれるのは、たいていこの時代の常識です。
4. 母親自身がそう思っているから
これがいちばん大きいかもしれません。外から言われる前に、すでにご自分で結論を出してしまっている。そこへ他人の言葉が乗ると、確信に変わります。
5. 説明としてわかりやすいから
「原因は複雑で特定できません」より「母親の関わり方です」のほうが、話として分かりやすい。分かりやすさと正しさは、別のものです。
5つとも並べてみると、気づくことがあります。どれも「母親が原因である証拠」ではなく、「母親が疑われやすい事情」なんです。
それでも「親のせい」とは言えない理由
もう少し踏み込みます。
もし不登校が親の育て方で決まるなら、同じ親に育てられたきょうだいは、全員が不登校になるはずです。でも実際には、上の子だけ、下の子だけ、というご家庭がほとんどですよね。同じ家、同じ親、同じ方針で育っているのに、です。
そして、不登校の子どもの数は年々増え続けています。この数十年で、日本の親が急に子育てを下手になった、という説明は無理があります。変わったのは家庭の中身ではなく、学校のありよう、社会の速度、子どもたちが受け取る情報量のほうです。
さらに、不登校のきっかけは本当にさまざまです。体調、感覚の過敏さ、友人関係、教室の環境、学習のつまずき、成長の段階。これらが小さく積み重なった結果として起こるので、原因を1つに絞ること自体ができません。
「親のせいではない」というのは、親には何の影響力もないという意味ではありません。そこは次の項目で分けてお話しします。
「原因」と「親が関われる場所」は別のものです
ここが、この記事でいちばん大事なところかもしれません。
「原因は親ではない」ことと、「親の関わりで状況が変わる」ことは、両立します。
矛盾しているように聞こえますか? たとえば、転んで足を怪我した子がいるとします。転んだ原因は親ではありません。でも、手当てをして、休ませて、痛みが引くまで待てる環境を作れるのは親です。原因の担当者ではないけれど、回復の担当者ではある。不登校もこれと同じ構造なんですね。
この2つを混ぜてしまうと、苦しくなります。「私が原因だ」と思っている親御さんは、まず自分を罰することから始めてしまうからです。罰から始まる関わりは、たいてい空回りします。
過去の責任追及はいったん置いて、今できることに移ってください。その具体的な中身が、この記事の後半です。
不登校と親子関係にはどんなつながりがあるの?
親子関係と不登校はどうつながっているのか。ここを整理しておきましょう。
親子関係が不登校を招くのではなく、不登校が親子関係を変えます
親子関係が悪かったから不登校になったのではなく、不登校が始まったあとに、親子関係が変わっていく。私が見てきたご家庭の多くは、こちらです。
考えてみれば当然なんですね。お子さんが学校に行けなくなると、親御さんは心配で様子を見るようになります。「今日はどう?」「大丈夫?」と声をかける回数が増える。表情を注意深く観察するようになる。
一方でお子さんの側は、親の心配そうな顔を敏感に感じ取り、「迷惑をかけている」「心配させて申し訳ない」と思うようになります。すると、親を安心させられない自分を責めて、部屋に閉じこもるようになる。
そして親御さんは、こもってしまった子を見て、さらに心配になる。この循環が、親子関係を少しずつ変えていきます。
つまり、今感じている関係のぎくしゃくは、不登校の原因ではなく結果です。原因ではないのなら、直すこともできます。
不登校が家族全体に与える影響については、以下の記事で詳しくお伝えしています。

親子関係が悪化しているときの5つのサイン
親子関係が悪化しているかどうかは、喧嘩の多さでは測れません。むしろ静かになっているほうが危ないことがあります。
以下の5つを確認してみてください。
1. 会話の話題が「学校・勉強・将来」の3つしかない
それ以外の話をしなくなっていたら、お子さんにとって親と話すこと自体が負担になっています。
2. 目を合わせなくなった
お子さんが視線を避けるのは、後ろめたさか、責められる予感があるときです。
3. 親が部屋に入ると、画面を切り替える/黙る
見られたくないのではなく、話題にされるのが嫌という合図であることが多いです。
4. 「別に」「わかんない」しか返ってこなくなった
これは反抗ではありません。何を言っても評価されると感じているときの、最も安全な返事です。
5. 親御さんが、声をかける前に言葉を考えるようになった
これはお子さん側ではなく親御さん側のサインです。自然に話せなくなっているということですから。
3つ以上当てはまったら、関係の修復を、登校より先に置いてください。関係が細っている状態でどれだけ登校を促しても、届きません。
不登校のお子さんに親がやってしまいがちなこと
ここからは、具体的な関わり方を見ていきます。
先にお伝えしておきますが、これから挙げる5つは、どれも愛情から出てくるものです。冷たい親がするのではなく、必死な親がしてしまうことばかりです。「やってしまっていた…」と思われても、責めないでくださいね。気づいた時点で、もう変えられます。
NG例(1)先回りして環境を整えてしまう
お子さんが困らないように、先回りして手を打つ。よかれと思ってやってしまう、いちばん多い関わりです。
学校に連絡して配慮をお願いする。フリースクールを調べて資料を並べておく。友達関係を整理しようとする。どれも善意なのですが、これが続くと、お子さんは「自分で決める機会」を失います。
そして厄介なのは、先回りが親の不安を下ろすためにおこなわれていることが多い点です。動いていると、少し安心できますからね。
目安をお伝えします。本人が頼んでいないことを3つ以上同時にやっているなら、先回りが過剰です。1つに減らしてみてください。
NG例(2)正論で説得しようとする
「このままだと将来困るよ」「昼夜逆転は体に悪いよ」。どれも正しいことばかりです。正しいからこそ、言いたくなるんですよね。
でも、正論は「あなたは間違っている」という前提とセットで届きます。すでに自分を責めているお子さんには、追い打ちにしかなりません。
そして本人も、たいてい分かっています。分かっているのにできない、というのが不登校の状態なんです。知識が足りないわけではないので、説明を足しても動きません。
生活リズムの乱れなど、つい正論をぶつけたくなる場面については、以下の記事もあわせてご覧ください。

NG例(3)期待を言葉にしてしまう
「来月から行けたらいいね」「二学期はどうかな」。軽い気持ちで言った一言が、お子さんには期限として届きます。
期待は、応えられなかったときに罪悪感を生みます。そして応えられない状態が続いているからこそ、今この状況にあるんですよね。
言葉にしていなくても伝わっている場合もあります。朝そわそわする、制服を目に入る場所に置いておく、学校からの電話のあとに表情が変わる。態度は言葉より雄弁です。
もともと期待に応えようとする気質の強いお子さんは、特に苦しくなります。

NG例(4)子どもの問題を親が引き受けてしまう
宿題の提出、友達への連絡、先生とのやりとり。本来お子さんが持っている課題を、親御さんが代わりに背負ってしまうことがあります。
心理学には「この問題は誰のものか」を確かめるという考え方があります。困っているのは誰か、その結果を引き受けるのは誰か。そこを見て、持ち主のところへ戻す、という発想です。
親が引き受けてしまうと、お子さんは自分の課題を自分で扱う経験を積めません。そして親御さんの側も、本人以上に本人の問題で消耗することになります。
どこまでが子どもの問題で、どこからが親の問題なのか。この線引きについては以下の記事で詳しくお伝えしていますので、整理したい方はそちらをご覧ください。

NG例(5)何も言えなくなって黙ってしまう
ここまでの4つを知った親御さんが、次にはまるのがこれです。
「先回りもダメ、正論もダメ、期待もダメ。じゃあ何を言えばいいの?」となって、結局なにも言えなくなってしまう。
でも、沈黙は安全ではありません。お子さんから見ると、急に話しかけられなくなった親は「もう関心を失ったのかな」「呆れられたのかな」と映ります。
必要なのは、黙ることではなく話題を変えることです。学校・勉強・将来を避けて、天気の話、ごはんの話、動画の話をする。内容がどうでもいいほど、関係にはいいんです。
その関わりの奥にある、親御さんの不安4つ
ここまで5つの関わりを挙げましたが、やめようと思ってやめられるなら、とっくにやめていますよね。
やめられないのは、その関わりの奥に不安があるからです。関わりを変えるには、行動ではなく、その手前を見る必要があります。4つに分けてみます。
ご自分がどれに近いかを、責める気持ちなしに見てみてください。どれも当てはまる、という方がほとんどです。
心配が先に立つとき
「この子が困らないように」がすべての起点になっているタイプの関わりです。
先回りして環境を整える、失敗しそうな場面から遠ざける、体調の変化に敏感に反応する。目に見えるのは過保護や過干渉と呼ばれる行動ですが、中身は恐怖です。
この状態の親御さんは、たいていご自身も休めていません。心配は、休息を許さないからです。
ここでの一歩は「心配をやめる」ではありません。それは無理です。心配したまま、動かないでいる練習をしてみてください。心配は感じていていい。ただ、その足で今日は動かない。それだけで、お子さんの側の余白がかなり増えます。
正しさが先に立つとき
「間違ったことは、親として伝えなければ」という責任感が強い場合です。
生活リズム、ゲームの時間、言葉づかい。正しさは、譲ると親としての責任を放棄するように感じられるので、なかなか下ろせません。
ここでの一歩は、正しさに順番をつけること。今この子に必要な順に並べると、多くの項目は「今じゃない」に移ります。全部を同時に守らせようとするから、家じゅうが緊張するんですね。
正しさは減らすのではなく、後回しにする。そう考えると、少し楽になりませんか。
期待が先に立つとき
「この子はもっとできるはず」という思いが強い場合です。
これは、お子さんを信じているからこそ出てくる気持ちです。だから厄介なんですね。信頼と期待は、外から見ると区別がつきません。
見分け方をお伝えします。「今のこの子」に向いているなら信頼、「これからのこの子」に向いているなら期待です。期待のほうは、必ず条件がついています。
ここでの一歩は、今日一日のこの子について、良かったところを1つ見つけること。起きてきた、ご飯を食べた、それで十分です。未来ではなく今日に視線を戻す練習になります。
傷つくのが怖くて距離をとるとき
4つめは、あまり語られないものです。
何度も声をかけて、そのたびに拒まれてきた。話しかけると空気が悪くなる。そういう経験を重ねると、人は距離をとるようになります。
これは冷たさではなく、防御です。傷つく回数を減らすために、関わりを減らしている。当然の反応ですし、ご自分を責める必要はまったくありません。
ただ、お子さんの側にはそう見えていないことがあります。「見捨てられた」と受け取ってしまう。
ここでの一歩は、返事を期待しない声かけです。「おはよう」「ごはん置いとくね」。返事がないことを前提にした言葉なら、拒まれても傷つきません。関係は保ちつつ、ご自身も守れる方法です。
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親子関係を改善する3つのステップ
お待たせしました。ここからが具体的な行動です。3つとも、お子さんの協力を必要としません。親御さんだけで始められることを選びました。
まず、学校・勉強・将来の話を一切しない時間を1日15分だけ作ってください。
「たった15分?」と思われるかもしれません。でも、今のご家庭にその3つが出てこない時間が本当に15分ありますか?多くのご家庭では、ゼロなんです。話していなくても、親御さんの頭の中では回り続けていますから、それは表情や声のトーンで伝わっています。
やり方は簡単です。夕食のあとの15分、洗い物をしながらの15分。時間帯を決めて、その間はその3つを口にしない。それだけです。
何を話すか。テレビの話、天気の話、今日食べたものの話。お子さんが黙っていても構いません。親御さんが一人でしゃべっていても大丈夫です。大事なのは、この15分は評価されない時間だとお子さんが分かること。
続けていくと、この時間にだけ、ぽつりと本音が出てくることがあります。学校の話をしない時間にこそ、学校の話が出てくる。不思議なようで、順序としては自然なんですよ。
2つめは、言葉の形を変える練習です。
親子関係がこじれているとき、親御さんの言葉はほとんどが指示になっています。「起きなさい」「食べなさい」「そろそろ寝たら」。悪気なく、一日に何十回も出ています。
これを実況に変えてみてください。
- 「起きなさい」 → 「もう10時だねえ」
- 「ごはん食べなさい」 → 「今日はカレーにしたよ」
- 「そろそろ寝たら」 → 「お母さんはもう寝るね」
違いが分かりますか。指示には従うか反発するかしかありませんが、実況には反応の自由があります。返事をしてもいいし、しなくてもいい。
そして実況には、もうひとつ効果があります。言った側も指示が通ったかどうかを気にしなくて済むんです。「起きなさい」と言えば、起きるかどうかで結果が出てしまいますが、「10時だねえ」は事実を言っただけ。親御さんの側が、失敗しなくなります。
これは慣れが要ります。最初の1週間は、口を開いてから言い直すことになるでしょう。それで大丈夫です。
3つめは、お子さんとは関係のないことです。
カレンダーに、ご自分の予定を先に書き込んでください。美容院、友人とのランチ、映画、なんでも構いません。1つでいいので、来週のうちに入れてください。
「子どもが家にいるのに」と思われますよね。でも、これは関係改善のための行動です。理由が2つあります。
ひとつは、親御さんが家にいる時間が長いほど、見てしまうから。視界に入れば気になる、気になれば声をかける。物理的に離れる時間が、関わりすぎを止めるいちばん確実な方法です。
もうひとつは、お子さんの負い目が減るから。親が自分の楽しみを全部捨てて自分のことばかり考えている。その状態は、お子さんにとってかなりの圧です。「お母さん、明日出かけてくるね」と言われるほうが、ずっと呼吸がしやすいんですよ。
親御さん自身が限界に近いと感じている方は、不登校で親のストレスが限界になったときの対処法もあわせてお読みください。
リコ完璧な親である必要はありません。うまくできなかった日があってもいいんです。また明日からやり直せばいいのですから。
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親御さん自身のケアを後回しにしないでください
最後に、いちばんお伝えしたいことを書きます。
ここまで読んでくださった親御さんは、間違いなく真面目な方です。そして真面目な方ほど、この記事の内容を「やることリスト」として受け取ってしまいます。
でも、すでに限界の状態でこれ以上の課題を背負わないでください。3つのステップのうち、できそうなものを1つだけ選んでいただければ十分です。
親御さんが倒れてしまうと、この家庭を支える人がいなくなります。あなたの回復は、この子の回復と同じくらい優先されるべきことです。
「良い親でなければ」を手放す
親御さんを追い詰めているものの正体は、多くの場合、お子さんではなく「良い親でなければ」という自分への要求です。
正しく対応しなければ。間違えてはいけない。感情的になってはいけない。この要求がある限り、どんな関わり方を学んでも苦しさは減りません。新しい採点基準が1つ増えるだけだからです。
ここで、視点をひとつお渡しします。お子さんが必要としているのは、良い親ではありません。
必要なのは、いてくれる親です。失敗する日があっても、言いすぎる日があっても、明日また同じ食卓にいる人。それだけで、家庭は安心できる場所になります。
むしろ、完璧な対応ばかりされると、お子さんは自分の失敗を許せなくなります。親御さんが間違えて、謝って、また普通に接する。その姿こそが、この子がこれから何度も必要とする力の見本なんですよ。

まとめ | 不登校の親子関係は、今からでも結び直せます
不登校は、親御さんのせいではありません。でも、親御さんの関わりで状況が変わることはあります。この2つは矛盾しません。原因の担当者ではないけれど、回復の担当者ではある、ということです。
親子関係のぎくしゃくは、不登校の原因ではなく結果です。結果なら、直せます。
つい やってしまう5つの関わり——先回り、正論、期待、問題の肩代わり、そして沈黙。どれも愛情から出てくるもので、その奥には心配・正しさ・期待・傷つきたくなさという4つの不安があります。行動を責めるのではなく、その手前を見てあげてください。
そして今日からできる3つのステップ。学校の話をしない15分をつくる、指示を実況に変える、親が自分の予定を先に入れる。どれか1つでも大丈夫です。
変化はすぐには見えません。家の中の空気が変わるのが先で、お子さんの反応はそのあとです。測る対象を、お子さんではなく家の空気にしてくださいね。
親子の関係は、こじれても結び直せます。今日からでも、遅くありません。
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