不登校の子どものどこを見ていますか?|「承認」で親子関係が変わる理由

「なぜ行けないんだろう」
「もっとできるはずなのに」
「このまま何もできない子になってしまうんじゃないか」
不登校のお子さんを持つ親御さんなら、こんな思いが頭をよぎったことがあるのではないでしょうか。
さらには、気づかないうちにお子さんの「できていないこと」「足りないこと」ばかりに目をむけてしまって不安でいっぱいの親御さんもいるでしょう。
実は、見るところを少し変えるだけで、お子さんとの関係が大きく変わっていくことがあります。最後までぜひ読んでみてください。
鈴木理子「承認」とは、難しいことではありません。今日からできる関わり方もお伝えしますね。
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「ないところ」が目につく理由とは
お子さんが不登校になると「今日も朝起きなかった」「今日は元気がない」「あまり食欲がなさそう」などと、親御さんには「ないところ」「できてないところ」が目についてしまいます。
それはお子さんが心配な親御さんにとって当然のことです。
でも、実は「ないところ」が先に目につくのは、脳のしくみからくることがあります。
人間の脳はもともと、生きるためや危険を察知するために「違和感」や「足りないもの」を素早くキャッチするようにできているんです。これは親御さんだけでなく、すべての人に備わっています。だから、できていないことが先に飛び込んでくるのは、親御さんのせいではないんですよ。
特に不登校になりたての頃は、昼夜逆転してしまったり、お風呂やハミガキなど今まで当たり前にできていたことができなくなってしまうお子さんがとても多いんです。
「学校にいけないだけでもつらいのに、こんなことまで…」と途方に暮れてしまうのも無理もありません。
けれど、お子さんが今、基本的なことすらできなくなっているのは、怠けているからではないんです。
心のエネルギーが底をついてしまっているから……。充電がゼロになったスマートフォンが動かないのと同じで、エネルギーのない状態では、当たり前にできていたことすらできなくなってしまうんです。
鈴木理子「ないところ」ばかりが目に入るのは、それだけお子さんのことを真剣に思っている証拠です。その気持ちは、決して悪いことではありませんよ。
ないところ探しが子どもを苦しめる
親御さんが「ないところ」ばかりに目を向けていると、お子さんにも伝わってしまうことがあります。
目が合ったときの一瞬の表情、ため息のタイミング、声のトーン、部屋に入ってきたときの空気感。
お子さんは、親御さんが思っている以上にそういったものを敏感に感じとっています。
不登校のお子さんの多くは、学校に行けない自分をすでに責め続けています。そこへ「できていない」という親御さんの気持ちが伝わると、お子さんはさらに苦しくなってしまいます。
「やっぱり自分はダメなんだ」
「親をこんなに苦しめて、申し訳ない」
「自分がいないほうがよかったんじゃないか」
心のエネルギーが少ない状態のお子さんにとって、この感覚はさらに追い打ちをかけてしまいます。「ないところ探し」が続くと、お子さんの自己否定感がどんどん強くなってしまうんです。
親御さんはそのつもりがなくても、伝わってしまっている。だからこそ、お子さんの見方を変えることが大切なんです。
鈴木理子子どもは非言語を読む天才です。「ないところ」ではなく「あるところ」を見ていきましょうね。
「褒める」と「承認」の違いとは
「あるところを見てあげましょう」と言うと、「いいところを無理やり探して褒めればいいの?」と思う親御さんもいます。
実は、褒めることと承認することは、少し違うんです。
褒めることは「評価」です
「すごい」「えらい」「上手にできたね」「よく頑張ったね」——これらは、何かができたとき、何かを達成したときに使う言葉です。成果があって初めて言える言葉。褒めるためには、相手が「何かをできた」という条件が必要なんです。
でも、今のお子さんは心のエネルギーが少ない状態にあります。「褒めてあげたいのに、褒められることがない…」と悩まなくても大丈夫。褒めることには注意が必要なんです。
承認とは、お子さんの今の姿をそのまま受け取ること
一方、承認には条件がありません。「見ているよ」「気づいているよ」「ここにいるね」——何かができたかどうかではなく、お子さんの存在そのもの、今の姿をただそのまま受け取ること。それが承認です。
「今日ご飯食べてたね」
「着替えできてたじゃない」
「さっきちょっと笑ってたね」
ほんの小さなことでいいんです。今のお子さんにとって、それがどれだけのことか、親御さんが思う以上かもしれませんよ。
承認し続けることで、お子さんは少しずつ「自分はここにいていいんだ」という感覚を取り戻していきます。その感覚が心のエネルギーを貯めていき、親子の空気も自然と変わっていくんです。
「あるところ探し」を続けることで、親御さん自身の気持ちも変わっていきます。「できていないことだらけ」という重さが、「こんなこともできているんだ」という小さな発見に変わっていく。親御さんの心が軽くなると、お子さんへの接し方も自然と変わっていきますよ。
鈴木理子「承認」は生きていくためのエネルギーになります!お子さんをたくさん認めてあげましょう!
お子さんをそのまま受け容れることについて、こちらの記事も参考にしてみてください。

今日から始められる「承認」の伝え方
「あるところ探し」はわかっても、実際にどう伝えればいいか迷う親御さんも多いと思います。難しく考えなくて大丈夫ですよ。
見たことを、そのまま言葉にするだけ
「起きてきたね」「お茶飲んでたね」「さっきの話、面白かったよ」——評価しなくていい、感想を加えなくていい。見たままを短く言葉にするだけで、お子さんには「見てもらえている」という安心感が生まれます。
存在そのものに気づいてあげる
何かができたかどうかに関係なく「今日もここにいてくれてありがとう」「そこにいてくれるだけでいい」という気持ちを伝えてみてください。これが承認の根っこにある関わり方です。
一日にたくさんの承認の言葉をかける
大きな言葉をひとつ言うより、何気ない小さな言葉をたくさんかけてあげると効果的です。
「今日こんなことしてたね」という一言が、積み重なることでお子さんの心に少しずつと届いていきます。最初はぎこちなくて当然です。続けているうちに自然になっていきますよ。
鈴木理子お子さんの名前を呼ぶことから始めるのもいいですよ。続けることで自然になっていきます。一緒に練習していきましょうね。
お子さんへの声かけについて、詳しく知りたい方はこちらの記事も読んでみてくださいね。

まとめ|子どもの「あるところ」への見方が親子を変える
不登校のお子さんの「できていないこと」に目が向いてしまうのは、親御さんが必死に向き合っている証拠です。
ただ、その見方を少しずつ「あるところ探し」に変えていくことで、お子さんに認めてもらえたという安心感が伝わり、親子の空気が変わっていきます。
承認とは褒めることではありません。「気づいているよ」「見ているよ」「いてくれてよかった」——そのひと言の積み重ねが、お子さんの心に「ここにいていいんだ」という根っこを育てていきます。
まずは今日、ひとつだけ「あるところ」を見つけて、言葉にしてみてください。それが、親子関係を変えていく最初の一歩になりますよ。
鈴木理子一人で抱え込まないでくださいね。悩んだときは、家族心理ニューロアカデミー(ファミニュー)にぜひご相談くださいね。
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