不登校の子どもが欲しいもの

LINEを通じてのご質問を頂きました。

「娘は現在大学1年で一人暮らしをしています。
 自分の過干渉は自覚しているのですが
 親子関係はずっと険悪です。

 不登校にはなりませんでしたが、高校のとき
 イジメにあった訳でも友達がいない訳でもないのに

 クラスに居場所がない

 と学校を数日休みました。

 じゃあ居場所を作れば?と提案しました。
 夫も不登校経験がありましたが
 我慢して卒業して良かったとの思いから

 自分から明るく挨拶して溶け込む努力をしよう
 それでダメならまた考えよう!と言いました。

 娘は豆腐メンタルで些細なことで学校をたまに
 休みたいと言いましたが、休ませました。

 中高一貫で中1から友達への文句が多く
 自分の性格はそんなにいいのか!?と思っていました。

 自分が変わればうまくいくかもしれない状況
 だったのにこんなことでは

 この先も悪いことは全て人のせいにして
 逃げてばかりの人生になるのでは?と思い
 行かせていました。

 結果今は高校を卒業して大学生になりましたが

 『あのときのことを恨んでいて、不登校だとして
  何がいけなかったのか?』

 と言われました。現在親子関係は最悪です。
 あのときどう対処すればよかったのでしょうか。」

現代の子どものストレス

ご質問ありがとうございます。

大人になってもずっと親子関係が悪いままでは
親は何のために育ててきたんだろうか?と

空しくなってしまいますよね・・・。
お母様のお気持ちはすごくよくわかります。

不登校になっている、いないに関わらず
現代の子どもたちは、私たち親世代には想像もつかない

大きなストレスを抱えています。どの子もです。

例えばネット環境。この10年で携帯は一人1台
当たり前のようになり、子ども達は生まれたときから
世の中にありました。

今は授業や調べもの、家での勉強や学校の連絡も
スマホや携帯を使いますよね。

溢れる情報は人を疲れさせます。これは大きなストレス。

例えば時間に追われる生活。

習い事はしたいと言えばさせられる環境だから
幾つもかけもちしたり、その上塾に通ったり

いつもいつも時間に追われるのは
大変なストレスです。

例えば学校の、昭和の頃から変わらない
命令系統での、そして人と同じであることを
良しとされる雰囲気。

多様性や個性を重んじよう、と言いながらも
実際はそうでもないことが多くて。
(勿論そうでない学校もたくさんありますが)

またはスクールカーストと言われるような
人間関係であったり・・・

そして・・・

一番大きいのは、私たち親の、時代に合わない
「べき」「ねば」に縛られた思考。

友達とは仲良くすべき
良い学校を出たほうが幸せ
親には感謝すべき
他人を優先すべき

などなど。。。

子どもが欲しいもの

もちろんこうした考えが間違っている、
と言いたいのではありません。

でも。。。

子どもが欲しいのは、アドバイスでも
新しいふかふかのベッドでも家具でもなく

ただ自分を自分として
受け容れてほしい
認めてほしい

それだけなんです。

私たち親は「親心」という名のもとに
少しでも子どもが「よく」なるようにと

ああすれば、こうすれば、とアドバイスしますが
それは親の目線でしかないのですよね。

子どもの立場に本当の意味で立ってみる。
この時代の、この状況に生まれて

「つらい」と言っている子どもの気持ちを
しっかりと味わってみる。

「でも、私は辛くても頑張ったから今こうして
 仕事もできているし、頑張ればいいのに。」

多くのお母さんがそうおっしゃいます。
私たちの時代はまだ昭和、今より様々なことが
ゆるやかでした。

子ども達は親が思う以上に既に頑張っているんです。
ものすごく。

そこを認めず、受容せず
親目線でのアドバイスばかりしていると

「こんな自分はダメなんだ」
「自分には価値がない」
「誰も自分を認めてくれない」

と、自己否定をするようになります。


自己否定をしているときって、
他人もそう思っているにちがいない
と思い込むんですね。

友達は私を嫌っている、
私は誰からも受け容れられていない

という心の状態で明るく挨拶、と言われても
つらいだけですよね。

ただ分かってほしい

きっとお子さんは、居場所がなくて辛い気持ちを
分かってほしいだけだったんじゃないかな。

アドバイスじゃなくて、「つらいね」、って
共感してギュッとハグして欲しかったかも知れません。

子どもを甘やかすと、困難を乗り越えられなくなる、
と心配される方は多いですが

そんなこと、ないんです。

共感してそのままのあなたでいいよ、
そのままのあなたを愛しているし、
あなたは価値ある大切な子。

それを親は伝え続けて、子どもも


「どんな自分でも愛してもらえる。
 何かができてもできなくても、

 親は私を受け容れてくれるんだ。」

そう思えたら、自己否定することもなくなるので
他人を悪く言うことも、少なくなってきます。

嫌なことはしなくていい、ということではなく

立ち向かう前に「承認」というエネルギーを
貯めたら子どもは自然に動き出す、ということ。

嫌なことに立ち向かわなかったら
社会で生きていけないよ!というのは

ガソリンが無い車を無理矢理走らせようとして
そんなことじゃ車として機能しないよ!

と言っているようなものなのです。

もしもあなたが仕事や介護ですごくつらいときに
「そんなんじゃダメだよ」と言われたら
どんな気持ちがするでしょうか。

どの子もお母さんに認めてもらいたい

子どもは本来、お母さんが大好きです。
大好きだから認めてほしい。
大好きだから分かってほしい。
大好きだから信じてほしい。

親が子どもにできることって
子どもを心から信じることなのではないでしょうか。

その「信じる」は例えば不登校の子なら
いつか学校に行くと信じるとか

良いと言われる会社に勤めるようになるとか

親の思う通りの道に進む
という意味ではなく

自分の道は自分で切り拓いていく力がある。

それを信じること。

お母さんへのエールを込めて・・・

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